ROCKSTEADYな日々を求める

日々の音楽、本、漫画、アニメ、阪神、食べ物などつらつらと。

【本】日野草-死者ノ棘(ネタバレ)

日野草はGIVERがすごく好みだったので今個人的にイチオシです。

今回の死者ノ棘もあらすじ読むだけでブラック感むんむんなので楽しみにしてました。が、最初行った本屋(デカめ)に置いてなかったんですよね。在庫検索したらあったんですけど置いてある場所になかったっていう…二つ目の本屋(更にデカめ)で無事見つけました。

 

人の死期が見えてかつ他人の肉体を奪う力を与えることができる玉緒という謎の男が主人公です。

1話目「恋の最果て」はこの物語のイントロダクションのような話。玉緒の能力やルールなどの説明と共に、はいはいそうなるよねーこれ系の話であるあるーというお手本のような話です。

2話目「通り魔志望」では2話目にしていきなり変化球。玉緒が声をかけた人に他人の肉体を奪って寿命を延ばすか決断をさせますが、いきなりそのルールに当てはまらない話になります。が、このルールは玉緒が自分でもうけたもので、玉緒の気まぐれ次第なんでしょうね。この話がいちばん面白かったかな。可哀想な人いないし。

3話目「八月、少年」ね、これがいちばんキツい。主人公の少年は入れ替わったあとどうするんだ。少年(自分)を殺した罪で捕まり、結局助けに行った女の子とは離れ離れになるじゃないか…。少年は是非手帳を受け取って中身見てほしかったですね。今後手帳の中身だけで1話書けると思います。

4話目「この手の焔」は胸糞悪いわ。こういう選択をする人もいるってことやね。話のバリエーションとしてはアリ。

5話目「探偵と助手」は最後の話なのでひねってくるとは思ったけどもうひとひねりほしかったかなぁ。まぁしかし時間差でってのはおもしろかったし、1話目に出てきたオッサン(体はオネーサンだけど)も出来てまぁいい感じにまとめたね。

 

全体的に面白く読ませて頂いたんですが、まだネタを隠し持ってて敢えて書き切らないようにしてるのかな?という印象。もっと突き抜けたインパクトある話も書けただろうに。この設定だといろんな話が作れそうなので続編にも期待ですね。

 

ところで表紙を描かれている六七質さん好きなんです。大好きな柴村仁の市シリーズの表紙も描かれています。背景が細かくてほんと綺麗。