【本】辻村深月-オーダーメイド殺人クラブ(ネタバレ)
ふぅ…なかなかしんどいです。
厨二病全開、思春期独特の人間関係など懐かしすぎてしんどい。
特に序盤は読み進めるのがほんましんどかった…。
今風に言うと、わかりみがありすぎるというか…そこまでリアルに描写しなくてももも!という感じ。
しんどい序盤を終えるとあとは一気読み。しんどいはしんどいが。
しかし最後のまとめ方がいそぎ足というか少し雑というか、序盤の女子特有のネチネチゴタゴタヒエラルキーをこまかーく書いてる割に最後はアッサリしすぎというか。
「事件」の日を境にアンの心境が変わったってことを表現してるってことかしら。
ていうかアンがまだ生理こない設定とか必要だったんだろうか…。
徳川とアンの関係についてはもうちょっと突っ込んで終わってほしかったな。
徳川はアンに話しかけられる前からアンのこと好きだったっていうのはニヤニヤしてしまった。
【本】才羽楽-カササギの経略(ネタバレ)
帯の心温まるホワイトどんでん返し!という文言に惹かれ購入。
このミスシリーズは私の好み的にハズレが少ないのもあって購入。
結論から言うと、確かにどんでん返しではあったがどの辺がホワイトなんだろうか。
むちゃくちゃ読後感悪い話なんだが。
これがホワイトとかいうやつアタマおかしいんじゃないのって思うレベル。
全然ホワイトじゃないよ。可哀想な人達ばっかり。
どんでん返しの内容としては勝矢=俊介で、華子だと思ってたのは俊介の彼女の智ちゃんでしたっていう。
何が怖いってそりゃ勝矢俊介だよ、こいつマジなんなの。
不治の病にかかっている姉が家族の中心で自分は二の次で育ってきて姉とは険悪だったと言ってる割に、智ちゃん目線の話ではそんな姉をいちばん愛してるっていわれても、ねぇ?
智ちゃんとってもいい子っぽいのに、そんな子を他所の男のとこへ自分の姉のふりをさせて〜とか正気の沙汰じゃないから全然理解できないし、怖い。
どんでん返る前までは勝矢さんいい人だな〜心温まる話だな〜て思ってたのに全部台無しだよッ!
いくら愛してた姉の願いを叶えるためっつったって、子供の頃の約束忘れてる主人公に対してやる仕打ちじゃないだろ。その執念が怖いわ。
まぁそれが姉が優遇されて育った歪みってことなんでしょうが…。
華子の振りをしてた智ちゃんの心もそりゃ壊れていく。
愛する人の望むことを全てしてあげるのが愛しているということと言う勝矢。
だから愛してるなら智ちゃんは自分の命令することを聞くだろうって試すところも受け付けない。こいつほんと無理。
結末はまぁちょっと救いがある感じで終わりましたが、全然ホワイトじゃないお話でした。心も温まりません。おわり。
【本】長沢樹-夏服パースペクティブ(ネタバレ)
樋口真由ちゃんシリーズ2作目ですねー。
もちろん消失グラデーションは読んでおります。
消失読んだのも2年ぐらい前だし、読み始めた時は全然気にしてなくて、解説読んでから気付いたんですが、この話は消失の前の話なんですね。
しかも学校かわってるし。
んで、本編ですが長い!こんなに長くする必要あったんかなぁ。
登場人物も多い割に最後の方は主要人物以外空気だし…。
事件は最後の方で起きてあっちゅう間に解決します。
冒頭に思わせぶりな事件があって、被害者たちは名前を変えて今は元気に生活していることが示唆されるのですが、その正体もなんかもやもやっと特に盛り上がりもなく突然判明します。(真壁梓は姉の方じゃなくて妹でしたっていういるのかいらんのかよくわからん驚きはありましたが。)
それぞれの動機もよくわかんないんだよなぁ。ピンとこないというか…。
しかし自分の左足切り落としてそれで殴るとか発想がすごいわ…。
とりあえず真由ちゃんは相変わらず可愛いので真由ちゃんを楽しむ小説ですね。
ていうか私は消失を読んでるので真由ちゃんが男の娘だって知った上で読んでいます。
んで遊佐渉くんも真由ちゃんの事情をわかってる風なので、てっきり男の娘だって知った上で好きなんだと思ってたんですが、押し倒してパンツに手突っ込んで初めて気付いてビックリ!みたいなシーンがあって、えーッ!知らなかったの?!こっちが逆にビックリするわ!!と思ってしまいました。
佐伯じゃ樋口は手に負えないとか言っといて、おま…お前ーーー!!!お前もじゃーい!
面白いのは、秋穂は序盤で真由ちゃんとお風呂に入ってるので男の娘だって知ってるとこ。真由ちゃんを気遣う男の娘だと知ってる秋穂と知らない遊佐で微妙に会話が成り立ってる。
これはきっと消失読んだ人向けの作者からのサプライズだと思うんだよね。遊佐は真由ちゃんが男の娘だって知ってると思っただろー!みたいな。
真由ちゃんシリーズは、あと冬空トランスがありますね。
まだ文庫化されてないってか夏服もやっと文庫化されたとこだから当分出なさそうなんで電子書籍買っちゃおうかなぁ。
遊佐とのその後の話もあるようなので。
【本】雫井脩介-仮面同窓会(ネタバレ)
この人の本は犯罪小説家を読んだことがあります。
途中すごく盛り上がったのに、最後の尻すぼみが半端なかったのでそれ以来読んでなかったのですが、この仮面同窓会は面白そうだったので読んでみました。
結論から言うと…ものすごいイヤミスであった。
いや、もうなんか二重人格とミスリードしてた長男が押入れに引きこもってマイク通じて主人公とコミュニケーションとってるのが判明した時点から予期せぬ方向に話が転がっていき、ついていけなくなってきます。
あと美郷が出てきたときから怪しくて怪しくて…ストーカから追いかけられる!って主人公にすがりついてきたのに、静池でそのストーカから美郷と接点があるようなことを言われて後日美郷を問い詰めるシーンがいちばん意味不明でありえない。
主人公、ボーッとしすぎでは??????
カズを刺殺したあと主人公の家行って、手洗って洗濯までしちゃうとことか怖すぎ。なんかあったらなすりつける気満々なところが…。
返り血も、もたもと主人公の家の洗面台にあったよとか言っちゃう。あー怖!
主人公は巻き込まれて不憫だな…犯人2人の動機とは関係ないのに真実を知ってしまったから親友を殺すか親友と一緒に殺されるかを選ばされる。
結局、次男を殺された復讐?もあって殺す方を選ぶわけですがとばっちり感ハンパない上に、トラウマいじられて終わるラストがほんまイヤミスだわ。
ちなみに会話は方言丸出しです。尾張弁?かな。
作者が愛知県出身のようです。
【本】城平京-名探偵に薔薇を(ネタバレ)
城平京は虚構推理がすごく好きで、続きある気にあとがきあるけどなかなか出ないなー!という感じです。
虚構推理は漫画が終わったら小説と併せて感想書くます。 あと2話か…4話…かな。
因みに、ヘイジョウキョウではなく、シロダイラキョウです。
メルヘン小人地獄は颯爽と現れる名探偵がカッコいいです。
小人地獄の作り方がなかなかグロいですが許容範囲です。
パンケーキ食べながら読んでたけど。
毒杯パズルは小人地獄を最も下手に使用した事件。
なんのためにそんな下手な使い方をしたのか…という謎です。
読みながら、また名探偵を呼びたいからだろうな〜と思ってたら合ってました。
流石に名探偵に恋しててまた会いたいからだとは思わなかったけど…。
あと脳腫瘍とかいきなり出てきてビックリしたし…。
百合展開だからタイトルは薔薇なのか?
とりあえず毒杯パズルだは瀬川みゆきがだいぶと人間くさいです。
あーーーーーー!早く虚構推理の続き描いてくれーーーーー!!!
続きは漫画で原作でもいいからぁ!!!!
【本】千早茜-眠りの森(ネタバレ)
2本の中編からなりますがつながっています。
まずはアカイツタから。
…特にないかな。そういう話だね、って。
1つ気になったのは、萩原がたまに会話で単語を反芻するんですが、それがtwitterのおもしろやりとりみたいだな…って。
「彼女はサロメさ。」
「サロメ」
みたいな。
イヌガンの話は小波のカーチャンの話かと思ったらまさかの小波本人とは…。
名乗ってた名前は親友+カーチャンってことか。
ていうか顔まで変えたの?
顔まで変えて家を出たのに、萩原がいる実家にちょくちょく通ってるってのがよくわからん。
この後に及んで普通に荻原を兄としれっと嘘ついてるのも怖い。
ていうかイヌガンの話いるのかなぁ。
蛇足感があるんだけど…。
【本】詠坂雄二-ドゥルシネーアの休日(ネタバレ)
詠坂雄二、好きなんです。
本作を読むにあたって、リロ・グラ・シスタ、遠海事件、電氣人間の虞の遠海市シリーズを読み返しました。
この話は東京が舞台で、厳密には遠海市シリーズではないと思うのだけれど、佐藤誠が出てくるので世界線は同じ。あと文庫表紙のテイストも同じです。とてもカッコいい。
その佐藤誠を自首させた月島凪の話です。
遠海事件読んでると突然月島凪という名前が出てきて特に詳細が語られないまま終わって、誰やねん!という感じでしたが、相変わらず誰やねん!で終わってしまいました。笑
出てこないのに主人公ってのが斬新ですごい。
ストーリーも読めば読むうち何が軸なのかわからなくなる。殺人事件なのか月島凪なのか…。
殺人事件の犯人については読んですぐわかった。
最近の小説のあるあるなんですかね?ベテラン刑事の相棒若手刑事が犯人っていう展開。
あとは脇役で終わりかなと思ってた図書委員の子が思いがけずストーリーに絡んでくる展開は予想してなかった。
藍川もまた会うだろう的なこと言ってるので、今後出てくるんでしょうね〜。楽しみ。
藍川の心配事が気になるな〜なんなんやろ。
また別の話として展開するよ!っていうフリということでよろしいでしょうか。
月島凪はあのまま目的を達成できたのかな。したんやろうな。笑